勘に頼らない側の投資判断に「収益還元法」と言う
考え方を使っています。
ここではなるべく簡単に、この収益還元法を説明し
てみますネ
金融工学と言うと大げさですが、ロジカルな判断方
法とし知っておいて損はないと思いますヨ!
初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
オススメします。
バックナンバーはこちら
【アクリバ理論その3】
金利と回収リスクの関係
さて前回は、
「毎年もらえる一定額のお金を今の価値に換算する方法」
を説明しました。
これを数式で表現すると
「今の価値 = 毎年もらえる金額÷金利」
となります。
例えば
一株あたり、年間100円の利益を上げる企業の株価
を考えて、以下を条件にします。
1:年間100円の利益が永久に続くと見なせる。
2:株主資本はゼロと見なせる。
3:金利を10%/年と見なす。
=>「ありえない」とはか言わないで下さいね!
この場合、これまで説明した理論で行くと
理論株価 = 100円 ÷ 0.1(10%)=1000円
なんて話になります。
でも、
・利益が永久に続くなんてアリエナイ!
・株主資本がゼロの会社なんてアリエナイ!
・金利をどう設定するの?!
なんて疑問がわきますよね?!
この疑問を1ひとつず潰してゆきましょう!
まず金利からスタートです。
【金利の考え方】
「今のお金と未来のお金(アクリバ理論その1)」
で
「金利は人によって違う」と書きました。
#1%と考える人と、18%と考える人がいる実例を上
#げましたネ。
で、理論株価を算出する金利はどう設定するべきか?!
ですが・・・結論から言うと
「個々の銘柄によって違う」・・・です。(苦笑)
こう言ってしまうと身も蓋も無いのですが・・・
私は日経平均や大企業の株の場合、現時点では10%程
度が妥当だと思っています。
では、なぜ「個々の銘柄によって違う」のでしょうか?!
これは、企業によって「毎年の利益」を稼いでくれる
信頼度がまったく違うからです。
先ほどの例では「一株あたり永久に毎年100円の利益」を
前提にしました。
しかし、これがどの程度「本当に」実現するか・・・で
答えが変わってしまうのです。
これは自分がお金を貸す側になったとして考えると、分
かりやすいので、実例を見てください。
例えば、100人の人に1万円ずつ貸すとしましょう。
そして1年後に5%程度の利益を出すとします。
つまり1年後に105万円を回収しなければなりません。
ここでもし「お金を貸した全員がきちんと返してくれる」
ならば、何も考える必要はありません。
金利5%で貸せば良いだけです。
ですが、現実にはお金を返してくれない人もいます。
例えば100人中10人が返してくれないとするならば、残り
90人から105万円を回収しなければならなくなりますネ!
でないと5%の利益は実現できません。
返してくれる90人から必要額を回収すると考えると、
一人当たりの回収必要額 = 105÷90 = 1.167万円
となります。つまり金利は17%程度に設定しなければ
ならない事になります。
※余談ですが、いわゆる消費者ローンはこの90%が返
してくれる(逆に言えば10%に踏み倒される)を前提
にしているようです。
この踏み倒されるリスクを私は「回収リスク」と呼んで
います。上記の例では
回収リスク= 100(貸す人)÷90(返してくれる人)-1
=約11%
という事になります。
#金融工学的なリスク(価格変動リスク)とは別物です
#ので混同されないようお願いします。
この「回収リスク」を追いかけてゆくと結構面白い事に
気づきます。
○例えば、1989年頃のバブル時代
この「回収リスク」はマイナスの値を示していました。
この意味は「貯金より株の方が安全」という事になって
しまいます。
一時的にはともかく、これが年単位で続くのは異常で
すよね?!
そして株はその後、下げるべくして下げました。
○例えば、リーマンショックの後
この「回収リスク」は無限大になりました。
これは「企業は今後、利益を出すことはない」と言う
意味になります。
これもまた「ありえない」話です。
これに気づけば、「今の株価は安すぎる」と分かります。
あくまで「皆が不安になって換金売りをしているだけ」
だったのです。
そしてその後、株は上がるべくして上がりました。
さて、この「回収リスク」。上記の様な極端な例だけでな
く、平時の投資判断にも役立ちます。
次回(来週?!)にその辺をお話します。
←前へ/次へ→
お役に立ちましたらポチっとお願いします。
考え方を使っています。
ここではなるべく簡単に、この収益還元法を説明し
てみますネ
金融工学と言うと大げさですが、ロジカルな判断方
法とし知っておいて損はないと思いますヨ!
初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
オススメします。
バックナンバーはこちら
【アクリバ理論その3】
金利と回収リスクの関係
さて前回は、
「毎年もらえる一定額のお金を今の価値に換算する方法」
を説明しました。
これを数式で表現すると
「今の価値 = 毎年もらえる金額÷金利」
となります。
例えば
一株あたり、年間100円の利益を上げる企業の株価
を考えて、以下を条件にします。
1:年間100円の利益が永久に続くと見なせる。
2:株主資本はゼロと見なせる。
3:金利を10%/年と見なす。
=>「ありえない」とはか言わないで下さいね!
この場合、これまで説明した理論で行くと
理論株価 = 100円 ÷ 0.1(10%)=1000円
なんて話になります。
でも、
・利益が永久に続くなんてアリエナイ!
・株主資本がゼロの会社なんてアリエナイ!
・金利をどう設定するの?!
なんて疑問がわきますよね?!
この疑問を1ひとつず潰してゆきましょう!
まず金利からスタートです。
【金利の考え方】
「今のお金と未来のお金(アクリバ理論その1)」
で
「金利は人によって違う」と書きました。
#1%と考える人と、18%と考える人がいる実例を上
#げましたネ。
で、理論株価を算出する金利はどう設定するべきか?!
ですが・・・結論から言うと
「個々の銘柄によって違う」・・・です。(苦笑)
こう言ってしまうと身も蓋も無いのですが・・・
私は日経平均や大企業の株の場合、現時点では10%程
度が妥当だと思っています。
では、なぜ「個々の銘柄によって違う」のでしょうか?!
これは、企業によって「毎年の利益」を稼いでくれる
信頼度がまったく違うからです。
先ほどの例では「一株あたり永久に毎年100円の利益」を
前提にしました。
しかし、これがどの程度「本当に」実現するか・・・で
答えが変わってしまうのです。
これは自分がお金を貸す側になったとして考えると、分
かりやすいので、実例を見てください。
例えば、100人の人に1万円ずつ貸すとしましょう。
そして1年後に5%程度の利益を出すとします。
つまり1年後に105万円を回収しなければなりません。
ここでもし「お金を貸した全員がきちんと返してくれる」
ならば、何も考える必要はありません。
金利5%で貸せば良いだけです。
ですが、現実にはお金を返してくれない人もいます。
例えば100人中10人が返してくれないとするならば、残り
90人から105万円を回収しなければならなくなりますネ!
でないと5%の利益は実現できません。
返してくれる90人から必要額を回収すると考えると、
一人当たりの回収必要額 = 105÷90 = 1.167万円
となります。つまり金利は17%程度に設定しなければ
ならない事になります。
※余談ですが、いわゆる消費者ローンはこの90%が返
してくれる(逆に言えば10%に踏み倒される)を前提
にしているようです。
この踏み倒されるリスクを私は「回収リスク」と呼んで
います。上記の例では
回収リスク= 100(貸す人)÷90(返してくれる人)-1
=約11%
という事になります。
#金融工学的なリスク(価格変動リスク)とは別物です
#ので混同されないようお願いします。
この「回収リスク」を追いかけてゆくと結構面白い事に
気づきます。
○例えば、1989年頃のバブル時代
この「回収リスク」はマイナスの値を示していました。
この意味は「貯金より株の方が安全」という事になって
しまいます。
一時的にはともかく、これが年単位で続くのは異常で
すよね?!
そして株はその後、下げるべくして下げました。
○例えば、リーマンショックの後
この「回収リスク」は無限大になりました。
これは「企業は今後、利益を出すことはない」と言う
意味になります。
これもまた「ありえない」話です。
これに気づけば、「今の株価は安すぎる」と分かります。
あくまで「皆が不安になって換金売りをしているだけ」
だったのです。
そしてその後、株は上がるべくして上がりました。
さて、この「回収リスク」。上記の様な極端な例だけでな
く、平時の投資判断にも役立ちます。
次回(来週?!)にその辺をお話します。
←前へ/次へ→
お役に立ちましたらポチっとお願いします。
