勘に頼らない側の投資判断に「収益還元法」と言う
 考え方を使っています。
 
 ここではなるべく簡単に、この収益還元法を説明し
 てみますネ
 金融工学と言うと大げさですが、ロジカルな判断方
 法とし知っておいて損はないと思いますヨ!

 初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
 オススメします。

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【アクリバ理論その8】理論株価とは?!

 さて前回は、
 「金利と回収リスクの関係」についてお話しました。
 ここらで回収リクスからはなれて、理論株価に話を戻しま
 す。長かったですよね?!すいません(笑)

【理論株価とは何ぞや?!】

 まず、「理論株価とは何ぞや」です。

 簡単に言うと
 「ある理論をもって推定された株価」
 です。これじゃ意味分かりませんよね?!(笑)

 わかりやすく例を3通り程ご紹介します。

 ①「市場は常に正しい」と言う理論を前提にすると
 
  「理論株価」=「今の株価」になります。

 ②「過去20日の平均株価を基準に、実際の株価は
   上下する」と言う理論を前提にすると

  「理論株価」=「20日移動平均」になります。

 ③「株価は株主資本やら企業の収益で算出される、
   株の価値にいずれは落ち着く」
  と言う理論を前提にすると

  「理論株価」=「株の価値」になります。

 この様に、同じ「理論株価」と言っても、その背景にな
 る理論によって意味がまったく違ってしまうのです。

 ただ、一般的に「理論株価」と言うと③の「株の価値」
 を重視している様です。

 最近は雑誌などにも「理論株価」が掲載されるようにな
 りましたが、基本はこのスタイルです。

【理論株価の使い方】

 さて次にこの理論株価をどう使うか・・・です。
 私は
 「結局のところ、株の安い高いを判断したい」
 だけだと思っています。

 これらの理論に従って、「安いと判断できれば買い」
 「高いと判断できれば売り」とすることで、投資パフォ
 ーマンスを上げてゆきたい・・・ワケです。
 簡単に言うと「逆バリ」の指標なんです。

 さて実例

 ①の「市場は常に正しい」理論だと、なにも判断できま
 せん(笑)割愛します。

 例えば②
 「過去20日の平均株価を基準に、実際の株価は上下す
 る」と言う理論に従うならば、

 ・移動平均の下にいる時は「安い=買い」
 ・移動平均の上にいる時は「高い=売り」

 と言う判断に繋ります。
 でもこの方法、実際には使い物になりませんよね!
 
 #この「移動平均方式、理論株価」は株が値上がりする時
 #には「理論株価」は常に遅れて値上がりします。
 #すると、値上がり途上の株価は常に「高い」との判断
 #になってしまいがち。そして反対もしかり、
 #よってこの理論では、まず儲かりません(笑)

 そして③
 「株価は株主資本やら企業の収益で算出される、株の価
  値にいずれは落ち着く」
 と言う理論を前提にします。
 すると、この理論株価、あまり極端には変化しません。

 ですから目先の株価上下に惑わされる事なく、冷静に判
 断できる・・・なんてバリュー派は考えます。

 この判断に自信があれば「暴落の最中の買い出動」や「
 市場が活況の時の売り出動」が冷静にできるワケです。
 
【バリュー派理論株価】

 さて、ここからはバリュー派「理論株価」に話を集中し
 ます。

 ところが、ところが「バリュー派」と言っても簡単では
 ありません。同じバリューをベースにしていても、考え
 方はまさに百花繚乱。

 例えばある人は
 「業界の基準をベースに理論株価を算出、これより安け
  れば買い」
 などと判断しています。
 雑誌ZAIの方式は概ねこれに近いみたいですね!
 #広い意味で、PERの業界標準は**倍だから云々言
 #う方の判断もこれに近いですね。

 例えばある人は
 「株主資本割れを起こした株しか買わん」
 #この場合、「株主資本=株価」との理論なのですね!
 なんて判断をされる方もいらっしゃいます。

 で、私の方法は・・・と言うと
 「過去4~8年程度の価値水準を標準にして判断」
 となります。
 「株価水準」ではなくて「価値水準」と言うのがポイン
 トです。

 どの方法も一長一短ありますし、投資対象/期間によっ
 ても選択肢が変わりますので「一概にどれが良い」とも
 言いにくいです。

 単純に私の方法は
 ・日経平均主体の投資である事
 ・数年レベルで考える「のんびり投資」である事
 ですので、この方法をとっています。

 一般的に大きな景気サイクルは4年前後と言われていま
 すし、(オリオンピックやアメリカ大統領選の影響?)
 日経平均の動きも、この程度の波があるように見えます。
 これを基準にしているワケです。

 そして、私の実行したシュミレーションではこの方法が
 上手く行くように見えた・・・と言うわけです。
 そして実際に10年レベルで上手くいっています。

 私の調べた範囲ではありますが「インデックスに勝つ」
 には、この方法しか無い様に感じています。

 さて次回は「バリュー派理論株価」の考え方、特に
 「バリュー派が前提にしている事」のお話をしようと思
 います。

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2010.06.13 Sun l 投資技法 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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