勘に頼らない側の投資判断に「収益還元法」と言う
 考え方を使っています。
 
 ここではなるべく簡単に、この収益還元法を説明し
 てみますネ
 金融工学と言うと大げさですが、ロジカルな判断方
 法とし知っておいて損はないと思いますヨ!

 初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
 オススメします。

 バックナンバーはこちら 

【アクリバ理論その10】戦略と妥当回収リスク水準

 さて前回は、
 「バリュー派理論株価とは需給/心理要素を省いた株価」
 であるとお話しました。
 そして、この株価を求める「回収リスクの水準」を決定
 するには、ある期間の平均的な物を使うのが現実的。
 ともお話しました。

 そこで、今回は「その期間の決め方」についてご説明し
 ようと思います。

【戦略と妥当な回収リスク水準】

 バリュー派は
 「企業財務要素」が変わらないのに「需給、心理的要素」
 で株価が変わった時を儲けのチャンスと考えます。

 「需給、心理的要素」で動いた株価はいずれ戻ると考え
 ポジションを取り、じっと待つわけです。

 さて、この「需給、心理的要素」で動いた株価がどの程
 度で戻るか・・・が次の命題。

 これも色々な流派があります。具体的に言うと3ヶ月程
 度から数年レベルという感じでしょうか?!

 これは、投資のスタンスや資金の性格で決める部分と思
 いますので一概にどれが良いとは言えません。

 大まかに言うと

 短期の場合:リスクも小、利益も小
 長期の場合:リスクも大、利益も大

 との感じでしょうか?!
 
 ただ私の調べた範疇では、3ヶ月~6ヶ月レベルで考え
 ると、得られる利益に対してリスクが大きい感じがして
 います。
 これは、おそらく、このレベルの期間での判断は多くの
 市場参加者が気にしている・・・つまり、この期間で稼
 ぐ事を皆が狙っている・・・からではないかと感じてい
 ます。
 ただし、目に見える結果が得られやすいとの事で、雑誌
 等の理論株価はこの程度の期間を基準に算出している感
 じです。

 そして1~2年レベルではどうか・・・
 これも、私の調べた範囲ではあまり上手く行きません。
 この区間では景気の上昇期を基準にして景気の下降期
 での水準を考える・・・なんて事になってしまう様で
 す。

 で、私はどうしているか・・・ですが、過去8年を基準
 に考えています。
 基準は経済学で言う「キチンの波」と言う、約4年の在
 庫循環です。ただし、4年程度では明確な循環が現れな
 い事もあり、実務上2回分の循環を見ることにしていま
 す。
 
 #ちなみに最近知ったのですが、グレアムさん(あのバ
 #フェットさんの師匠)も7年程度を基準にされている
 #様です。

 この水準で考えると、もう一つ面白い事に気がつきます。

 それは、以前にも書きましたが、
 「株価は年度末の予想利益にかなり左右されている」
 という事です。

 例えば景気の底から良くなる局面では、最初の年は少な
 い予想利益が出されます。すると株価もそれなりに
 この予想利益の水準になるのです。

 そして、その翌年、予想利益が上昇すると株価も上がり
 ・・・なんて繰り返して、
 「景気が良いのが当たり前・・・」となったあたりで減
 収減益が始まる・・・と言うパターンが良く見られます。

 つまり、前回にも書いたとおり
 一般的な「短期的な需給、心理的な要因」に加えて「業
 績予測の景気に伴う変動」も、ある意味で「需給、心理
 的な要因」と言えそうです。

 この4年~8年のサイクルで考えると、この「業績予測
 の景気に伴う変動」も「利益を生むタネ」に使えると言
 うワケです。

 私は過去、かなりのシュミレーションを試みてきました
 が、この期間で考る事が「結局一番効率よく利益を出せ
 る」との結論に至りました。おそらく、この「業績予測
 の景気に伴う変動」を利益の源泉に出来ることが大きい
 と思います。

 但し、この方法。「実際の利益を出すのに時間がかかる」
 という最大の欠点があります。(笑)
 4年サイクルを標準で考えるワケですから、平均で2年
 程度ポジションを維持する事になります。

 最近の短期トレード全盛時代には合わない方法かもしれ
 ませんネ。

 でも個人的には
 「理詰めで考えた場合、極めて妥当な投資方法」
 ではないかと考えています。

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2010.06.26 Sat l 投資技法 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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