私は投資判断やリスク管理に「収益還元法」を中心と
 した金融工学の考え方を使っています。
 
 ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
 をご紹介してみます。

 「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
 判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!

 初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
 オススメします。

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【アクリバ理論その11】株を所持する事の本質的な意味

 さて前回は、
 4年~8年のサイクルで考えると、景気変動による予想
 利益の変動も「需給/心理的要因」と考える事ができる。
 そしてこれを利益をの源泉にできる。(可能性がある)
 と書きました。
 それでは「じゃあ具体的にどうするの?!」となります
 ね?!
 
 このあたりを少しずつ掘り下げてゆきます。
 ※「景気サイクルにあわせたポジション設定」までは
  たどりつけませんでした。ご容赦!

【株を所持する事の本質的な意味】

 さて、まずは「株を所持する事の本質的な意味」につい
 て、まとめておきましょう。

 結論は、

 「需給/心理的要因の影響がナイとの前提に立てば
  日経平均を所持する事で年間4%程度の利益が得られ
  る事になる」
  ※もちろん、他の株でも同じ事です。

 です。具体的に説明しますネ

 以前よりお話している通り、私は

 株価=1株資本 + 未来の1株利益の今の価値

 との表現ができると考えています。

 分かりやすく2010年7月2日時点の日経平均で表すと

 株価(9,203円)=1株資本(7,627円)
+未来の1株利益の今の価値(1,576円)

 です。

 ここで今後の一株利益を過去8年平均の387円と仮定
 します。
 #この387円の妥当性については面倒なので説明を省
 #きますネ!
 #リーマンショックを含めた8年平均ですから、かな
 #り控えめな水準だと思いますヨ!

 そして、この株価が1年後どうなるかを考えます。

 前提条件は次の三つです。

 1:予想利益(387円/年)が今後、変わらない
 2:「需給/心理的要因」での金利変動がない
 3:株主資本の変動がない

 ここも結論から言いますと

 株価(9,590円)=1株資本(7,627円+387円)
+未来の1株利益の1年後の価値(1,576円)

 となります。
 ※本当は配当で配ったりしますのでチョイ違いますが
  株主に還元されると言う意味では同じですので許して!

 なぜか?!

1:1年後に生まれる利益(ここでは387円と仮定)は
   株主資本にプラスされる事になる。
   =>ここはご理解頂けますよね?!

 2:「未来の1株利益の価値」は、利益を生み出した
   後でも変化しない。(ここでは1,575円と仮定)

 だからです。

 特にこの2項
 「未来の1株利益の価値は、利益を生み出した後でも
  変化しない」
 は、分かりにくいですよね。若干説明を加えます。

 まず1年の時間が経つと
 ①予想していた利益の1年分が現実の物となります。
 
 そして、
 ②その先の利益も、実現可能性が1年分高くなります。

 その結果
 ③未来の1株利益の価値が1年分高まり、実現した利
  益を穴埋めしてくれる

 と言う事になるのです。

 如何でしょうか?!

 これは

 「日経平均は放っておけば年間387円ずつ値上がりしてゆく
  (又は一部が配当という形で株主に返される)」

 という事を意味します。
 
 そして、最初に申し上げた結論

 「需給/心理的要因の影響がナイとの前提に立てば
  日経平均を所持する事で年間4%程度の利益が得られ
  る事になる」

 につながります。

 私はこれが「株式投資の本質」だと思っています。

 株主は「投資」した見返りに、
 企業の活動によって得られる利益を
 「配当」又は「株価の値上がり」
 という形で受け取る事ができるのです。

 そして、今の日経平均であれば、この水準は約4%程度
 という事です。

 この「企業の利益を受け取る」が本当の意味での株式投資
 なのだと思う次第です。

 ところが、実際の株価は年率20%程度の派手な値動きを
 します。

 ・景気が悪くなりそう(将来の企業利益が減りそう)
 ・景気が良くなりそう(将来の企業利益が増えそう)
 ・円高/株安で株主資本が目減りしそう
 ・円安/株高で株主資本が増えそう

 なんて言う「市場参加者の思惑」が株価を大きく変動させ
 ているのです。

 でも、ここまでの私の説明を理解頂けていれば、これらは
 単なる「需給/心理的要因」である事も理解頂けると思い
 ます。

 とは言っても「本質的な値上がり年4%」に対して「株価
 変動年20%」は大きすぎますよね?!

 ですから私は
 「株はじっと持っていれば、いずれ利益が得られる」
 とまでは言いません。

 反対に「需給/心理的要因での株価変動年20%」を利用
 する事も考えたいですよね?!

 次回は、この領域に話題を進めてゆきます。

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2010.07.04 Sun l 投資技法 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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