私は投資判断やリスク管理に「収益還元法」を中心と
 した金融工学の考え方を使っています。
 
 ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
 をご紹介してみます。

 「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
 判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!

 初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
 オススメします。

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【アクリバ理論その12】株を所持する本質的な意味:補足

 さて前回は、株を所持する本質的な意味

 「日経平均は放っておけば年間387円ずつ値上がりしてゆく
  (又は一部が配当という形で株主に返される)」

 そして、最初に申し上げた結論

 「需給/心理的要因の影響がナイとの前提に立てば
  日経平均を所持する事で年間4%程度の利益が得られ
  る事になる」

についてお話しました。
 今回はこれについて若干補足します。

 ※「景気サイクルにあわせたポジション設定」は
  順調に先送りです。

【株を買って所持するだけ・・・だけではアカン】

 前回、

 「需給/心理的要因の影響がナイとの前提に立てば
  日経平均を所持する事で年間4%程度の利益が得られ
  る事になる」

 と買いた事で

 のりダーは「買った株はずっともっとけ!」と言ってい
 る様な誤解を招く可能性を感じました。

 そこで今回はこれを修正しておきます。
 
 基本、私は

 「株を買って所持するだけ・・・だけではアカン」

 と思うとります。

 前回、私が書いた

 「需給/心理的要因の影響がナイとの前提に立てば
  日経平均を所持する事で年間4%程度の利益が得られ
  る事になる」

 これは

 「需給/心理的要因」では株価は変わらず、財務的な
  要因のみで株価が変わる・・・とした場合

 と言う事です。つまり実際にはアリエナイ話です。

 ですが、こういう風に現象を分けて考えないと
 話がややこしくなります。

 でバブル絶頂の1989年末、当時日経平均は3万9千
 円だったワケですが、ここを基点に「財務要因」がどう
 なったかを検証して見ます。

 分かりやすくする為に株主資本の変化だけを見てみまし
 ょう

  するとこんな感じです。

    1989年末の株主資本は、 約6,900円でした。
    2010年5月末株主資本は 約8,600円です。
    あわせてこの間の配当は合計約2,900円です。

  #上記の株主資本は日経新聞社の公表ベース、
  #会社発表値とは若干定義が違っています。

 当時の株価3万9千円が今は1万円になっています・・・
 でも株主資本はしっかり増えています。そして配当も出て
 います。

 ですから、この株価値下がりの時期をみても「財務要因」
 だけで考えれば、お話した通りの結果です。

 当時から考えると「需給/心理的要因」だけで、株が下が
 ってしまったと言うのが妥当でしょう。
 (と言うより、妥当な株価に戻った・・・ですね)

 ですから、「株はいつ買っても良い」なんてとても言えま
 せん。
 年率4%のリターンを得られるのは、あくまで適正な株価
 で買った場合の話です。

 反対に言うと適正な株価以下で買えれば、・・・となるワ
 ケですが・・・ここは次回以降にとっておきますネ。

 さらに、年率4%のリターン。これは今ならそこそこの魅
 力ではありますが・・・

 定期預金の金利が4%をこえてしまうような事態になった
 り、あるいは株価が今の4倍なんてなったら(この時は
 リターンが年率1%になってしまいます。)

 はっきり言って今の日経平均であれば所持する意味はない
 と言えます。
 #厳密に言うと、金利の部分はこう単純ではありませんが
 #この部分も、今後のお楽しみ・・・にさせてください。

 従いまして私は「買った株はずっともっとけ!」なんて
 口が裂けても言いません。

 ・買う場合は「適正な価格以下で」買うべき
 ・値上がりしすぎたら、他に資産を移すべき

 これが、私の目指す投資スタイルです。
 ただその期間が数年間に及ぶと言うだけです。

 でも、これだけでは

 ・「適正な価格以下」ってどうすれば分かるの?!
 ・「値上がりしすぎ」ってどうすれば分かるの?!

 と、なりますよね!

 これを説明しているのが、この収益還元シリーズ(?!)
 なのです。

 次回以降、具体論に入ってゆきますのでどうぞお楽しみに!

 &

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2010.07.11 Sun l 投資技法 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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