私は投資判断やリスク管理に「収益還元法」を中心と
した金融工学の考え方を使っています。
ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
をご紹介してみます。
「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!
初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
オススメします。
バックナンバーはこちら
【アクリバ理論その13】バクチと投資の境界線
前回は
「需給/心理的要因の影響がナイとの前提に立てば
日経平均を所持する事で年間4%程度の利益が得られ
る事になる」
但し、
・いつ買っても4%の利益になるわけではない。
・4%の利益が魅力無くなったら株(日経平均)を
持つ意味は無い。
とのお話をしました。
とは言っても
「株という物は基本的に値上がりするもの」
ですし、
「平均的に言うと、株を持つことは年間3~5%程度の
リターンを得る事になる」(今なら・・・です)
と言う事ではあります。この事は覚えておいてください。
私はこれがあるが故にバクチと投資が分かれると思うとり
ます。今回はこのお話です。
【様々な投資対象(?)のリターン】
宝くじ、競馬、カジノ、FX、商品、株、そして債券
これらを投資対象として考え、「投資に値するか?!」を
検討してみます。
こういう場合、「将来の予測は不可能」を前提にして、そ
れぞれの対象を平等に扱うのが一般的です。
そこで「将来の予測は不可能」とした場合、それぞれの対
象が平均的にどの程度のリターンを生むかを並べると、こ
うなります。かなり大雑把なのはお許し下さい。
不動産 + 5%/年
株 + 4%/年
国債 + 1%/年
商品 ± 0%/年
FX ± 0%/年
#高金利通貨は値下がりする
#そして金利差を業者に手数料で抜かれる
カジノ - 5%/回
パチンコ -20%/回
競馬 -30%/回
宝くじ -60%/回
いかがでしょうか?!いわゆるバクチといわれている物は
投資対象としては魅力が無いことが分かります。
#あくまで予測が不可能との前提です。念のため!
やはり投資先として考えるなら
「平均リターンがプラス。さらに債券のリターンは上回
りたい」
となりますよネ!
反対に言うとバクチは売る側に回ればかなり儲かります。
ですから、日本では民間人がバクチを売る側に回る事を
禁止して、「国や自治体の特権」にしています。
完全に違法ではありますが・・・競馬のノミ行為をやった
と仮定して計算すると・・・笑える程に儲かる事が分かり
ます。
つまり、こんな結論が得られます。
「投資対象として、基本的に投資に値するのはやはり株、
不動産、債券」
なんだかんだ言っても結局こうなんです。
余談ですが、
「何かのビジネスに投資して利益を得る」
は、実質「株式投資」と同じ意味だと思います。
ただ転売がしにくい訳ですが・・・
反対に平均収益がプラスの物を「売る」は根本的にハンディ
を背負ってしまう事は理解しておいた方が良いです。
「平均収益がプラスの物を売る」は「平均収益がマイナスの
物を買う」と同じことです。
つまり日経平均を売り続けると平均的には年間▲4%のリタ
ーンになると言う事です。
さて、これらの投資先を組み合わせる方法もあります。
よくあるのが「債券を売り、株や不動産を買う」です。
個人の場合「債券を売る」と言うのは「借金をする」と言う
事ですね。
これはきちんとリスク&平均リターンを考えて実行する分に
は問題ありません。
簡単な例で言えば
政府が国債を売って (金利支払い▲1%)
そのお金を株購入にあてる(期待リターン+4%)
なんて事は十分理にかなった行動です。実際にはムリと思い
ますが・・・
実は最近の金融商品は自動的に借金させられている場合もあ
ります。
例えば信用取引、FX、CFD・・・
なぜ高いレバレッジで取引できるかと言えば、証拠金以外の
部分は「実質的に借金させられている」からです。
#金利は業者によって異なります。
これらを行うときには「金利がどの程度抜かれているか」を
把握しておいた方が良いと思います。
#証券会社の決算報告をみると分かりますが、この金利収入
#が、彼らの重要な収益源だったりします。
続いて日経平均先物・・・これも同様。
普通現物より先物が若干高いですよね?!
これのSQまでの値下がり分が金利に相当します。
(今ですと年0.6%程度でしょうか?!)
これは証券会社ではなくて「売り方」に支払う金利です。
で、これを生かすして運用する方法ですが・・・
日経平均の期待リターン4%です。そして先物の実質金利は
0.6%です。つまりレバレッジ10倍なんてやれば
(4%-0.6%)×10 = 34%/年(税別)
なんてリターンを期待はできる計算です。
とは言ってもこのポジション、日経平均が▲10%した時点
でアウトですから、オススメはしません。(笑)
長々書いてしまいましたが・・・
今回の結論は
「投資対象として考えるベキは、期待リターンがプラス
のものである」
です。当たり前なのですが、一番無視されそうな原則です。
次回は「株の投資期間による有利/不利」を書こうと思います。
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ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
をご紹介してみます。
「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!
初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
オススメします。
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【アクリバ理論その13】バクチと投資の境界線
前回は
「需給/心理的要因の影響がナイとの前提に立てば
日経平均を所持する事で年間4%程度の利益が得られ
る事になる」
但し、
・いつ買っても4%の利益になるわけではない。
・4%の利益が魅力無くなったら株(日経平均)を
持つ意味は無い。
とのお話をしました。
とは言っても
「株という物は基本的に値上がりするもの」
ですし、
「平均的に言うと、株を持つことは年間3~5%程度の
リターンを得る事になる」(今なら・・・です)
と言う事ではあります。この事は覚えておいてください。
私はこれがあるが故にバクチと投資が分かれると思うとり
ます。今回はこのお話です。
【様々な投資対象(?)のリターン】
宝くじ、競馬、カジノ、FX、商品、株、そして債券
これらを投資対象として考え、「投資に値するか?!」を
検討してみます。
こういう場合、「将来の予測は不可能」を前提にして、そ
れぞれの対象を平等に扱うのが一般的です。
そこで「将来の予測は不可能」とした場合、それぞれの対
象が平均的にどの程度のリターンを生むかを並べると、こ
うなります。かなり大雑把なのはお許し下さい。
不動産 + 5%/年
株 + 4%/年
国債 + 1%/年
商品 ± 0%/年
FX ± 0%/年
#高金利通貨は値下がりする
#そして金利差を業者に手数料で抜かれる
カジノ - 5%/回
パチンコ -20%/回
競馬 -30%/回
宝くじ -60%/回
いかがでしょうか?!いわゆるバクチといわれている物は
投資対象としては魅力が無いことが分かります。
#あくまで予測が不可能との前提です。念のため!
やはり投資先として考えるなら
「平均リターンがプラス。さらに債券のリターンは上回
りたい」
となりますよネ!
反対に言うとバクチは売る側に回ればかなり儲かります。
ですから、日本では民間人がバクチを売る側に回る事を
禁止して、「国や自治体の特権」にしています。
完全に違法ではありますが・・・競馬のノミ行為をやった
と仮定して計算すると・・・笑える程に儲かる事が分かり
ます。
つまり、こんな結論が得られます。
「投資対象として、基本的に投資に値するのはやはり株、
不動産、債券」
なんだかんだ言っても結局こうなんです。
余談ですが、
「何かのビジネスに投資して利益を得る」
は、実質「株式投資」と同じ意味だと思います。
ただ転売がしにくい訳ですが・・・
反対に平均収益がプラスの物を「売る」は根本的にハンディ
を背負ってしまう事は理解しておいた方が良いです。
「平均収益がプラスの物を売る」は「平均収益がマイナスの
物を買う」と同じことです。
つまり日経平均を売り続けると平均的には年間▲4%のリタ
ーンになると言う事です。
さて、これらの投資先を組み合わせる方法もあります。
よくあるのが「債券を売り、株や不動産を買う」です。
個人の場合「債券を売る」と言うのは「借金をする」と言う
事ですね。
これはきちんとリスク&平均リターンを考えて実行する分に
は問題ありません。
簡単な例で言えば
政府が国債を売って (金利支払い▲1%)
そのお金を株購入にあてる(期待リターン+4%)
なんて事は十分理にかなった行動です。実際にはムリと思い
ますが・・・
実は最近の金融商品は自動的に借金させられている場合もあ
ります。
例えば信用取引、FX、CFD・・・
なぜ高いレバレッジで取引できるかと言えば、証拠金以外の
部分は「実質的に借金させられている」からです。
#金利は業者によって異なります。
これらを行うときには「金利がどの程度抜かれているか」を
把握しておいた方が良いと思います。
#証券会社の決算報告をみると分かりますが、この金利収入
#が、彼らの重要な収益源だったりします。
続いて日経平均先物・・・これも同様。
普通現物より先物が若干高いですよね?!
これのSQまでの値下がり分が金利に相当します。
(今ですと年0.6%程度でしょうか?!)
これは証券会社ではなくて「売り方」に支払う金利です。
で、これを生かすして運用する方法ですが・・・
日経平均の期待リターン4%です。そして先物の実質金利は
0.6%です。つまりレバレッジ10倍なんてやれば
(4%-0.6%)×10 = 34%/年(税別)
なんてリターンを期待はできる計算です。
とは言ってもこのポジション、日経平均が▲10%した時点
でアウトですから、オススメはしません。(笑)
長々書いてしまいましたが・・・
今回の結論は
「投資対象として考えるベキは、期待リターンがプラス
のものである」
です。当たり前なのですが、一番無視されそうな原則です。
次回は「株の投資期間による有利/不利」を書こうと思います。
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