私は投資判断やリスク管理に「収益還元法」を中心と
した金融工学の考え方を使っています。
ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
をご紹介してみます。
「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!
初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
オススメします。
バックナンバーはこちら
「マネーゲームではない、本当に殖やす投資」一緒に考えて見ませんか?!
【アクリバその23】時分散ポートフォリオ
※今回の内容は、特許および特許申請中の情報を含みます。
権利者へ無断での他への転載は禁じます。
前回お話した事は、簡単に言ってしまえば
「値上がりすれば、値下がりする可能性が高まる」
「値下がりすれば、値上がりする可能性が高まる」
と言う事をMPT(現代ポートフォリオ理論)に織り込むためにはどうする
か?!
という事です。
そこで私は例えば
「前の1年で10%値下がりしたら、次の1年は平均的には5%値上がり
する」※値下がり前の株価が価値と同じだった場合
と仮定すると良い。
との提案をさせて頂きました。
後ほど説明致しますが、この前提は実態にも合っていますし、理論的にも
妥当と言えると考えています。
さて、この考え方を使って
「今投資すべきか、待つべきか、それとも売るべきなのか?!」
を理論的に導いてみます。
【時分散ポートフォリオ理論】
さて、ここからはどんな本にも書いていない領域の話です。
通常のMPTの使い方では資金配分を変化させない事が暗黙の前提です。
この為、優れた「資金配分を変化させる方法」を述べた本は無い様に思
えます。(「私の知る限り」ではありますが・・・)
ですが、我々は「株への投資比率」を変化させて「アクティブリバラン
ス」を実現してゆきます。この為には時分散ポートフォリオ」との考え
方が必須です。
そして、これを行う行わないでは投資成果が大きく変わってしまいます。
一応理論的な背景をお話しますが、理解する必要はありませんので読み流し
て頂ければと存じます。
※あくまで、「きちんと理論的検証をしているよ」と言いたいだけです。
さて本題です。
仮に次の様な事を考えます。
「現在年間リターン0%、リスク20%と考えられる日経平均に何%の資金
を投資するのが一番優れた方法と言えるか?!」
如何でしょうか?!。
#分かりやすくする為に、企業の毎年の利益はゼロと仮定しています。
#本当は3~4%程度の利益によるリターンがあります。
イメージしやすく単純化すると、日経平均は1年後に
5割の確率で20%値上がりする
5割の確率で20%値下がりする
と言う事になります。
実はこれだけでは何も決められません。そこで更に1年先を考えます。
ここで先程の「値動き分の半分が(平均的には)戻る」を仮定にすると、
1:5割の確率で20%値上がりした後の1年
平均リターン ▲10% (20% ÷2)
リスク 20% (リスクは変化しません)
2:5割の確率で20%値下がりした後の1年
平均リターン 10% (20% ÷2)
リスク 20% (リスクは変化しません)
という事が想定できます。ここで
A:最初から株に投資して2年間所持する
B:最初から株に投資して値上がりしたら、現金に戻す。
C:最初から株に投資して値下がりしたら、現金に戻す。
D:最初は現金で持っておいて。値下がりしたら株を買う。
E:最初は現金で持っておいて。値上がりしたら株を買う。
という投資手法を考えます。
#実際には、このような簡単なモデルではなく対数T分布モデルを使う
#必要があります。ここでは理解して頂く為に単純化しています。
このA-Eそれぞれの最終利益やリスク、発生頻度は計算できますので、
これらを元に最適な資金配分を計算すれば良いのです。
この結果、上記A,B、Cに投資すべき資金の合計が
「今、株に投資すべき資金配分」となるワケです。
計算はこれまで言ったとおり
「リターン」÷「リスク」を最大化する(=勝率を最大化する)
という作業になります。
実際のこの計算は「偏微分方程式を解く」なんて事になってしまい、少々
厄介です。ここでは止めておきますネ。
【最適化、株式投資比率の実例】
さて結果だけ公開させて頂きます。
前提:日経平均のリスク 21.5%
日経平均の現在の価値 12,000円
値下がりから1年で平均的に戻す比率 50%
--------------------------------------------------------
前提が変わると、計算結果も変わります。ご注意下さい!
また、下記は単なる例であり実際には使えません。
--------------------------------------------------------
株価 株への最適資金配分比率
13、200円 0.0%
12、000円 49.6%
10、884円 74.2%
9、872円 87.5%
8、955円 95.7%
※対数スケールを使っている関係で、中途半端な株価になっています。
ご理解下さい。
次回はこれを使った「究極のリバランス」実例です。
本当にカンタン楽チンですヨ!
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した金融工学の考え方を使っています。
ここではなるべく簡単に、この金融工学のエッセンス
をご紹介してみます。
「金融工学」・・・名前は大げさですが、ロジカルな
判断方法とし知っておいて損はないと思いますヨ!
初めての方まずバックナンバーをご一読頂く事を
オススメします。
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「マネーゲームではない、本当に殖やす投資」一緒に考えて見ませんか?!
【アクリバその23】時分散ポートフォリオ
※今回の内容は、特許および特許申請中の情報を含みます。
権利者へ無断での他への転載は禁じます。
前回お話した事は、簡単に言ってしまえば
「値上がりすれば、値下がりする可能性が高まる」
「値下がりすれば、値上がりする可能性が高まる」
と言う事をMPT(現代ポートフォリオ理論)に織り込むためにはどうする
か?!
という事です。
そこで私は例えば
「前の1年で10%値下がりしたら、次の1年は平均的には5%値上がり
する」※値下がり前の株価が価値と同じだった場合
と仮定すると良い。
との提案をさせて頂きました。
後ほど説明致しますが、この前提は実態にも合っていますし、理論的にも
妥当と言えると考えています。
さて、この考え方を使って
「今投資すべきか、待つべきか、それとも売るべきなのか?!」
を理論的に導いてみます。
【時分散ポートフォリオ理論】
さて、ここからはどんな本にも書いていない領域の話です。
通常のMPTの使い方では資金配分を変化させない事が暗黙の前提です。
この為、優れた「資金配分を変化させる方法」を述べた本は無い様に思
えます。(「私の知る限り」ではありますが・・・)
ですが、我々は「株への投資比率」を変化させて「アクティブリバラン
ス」を実現してゆきます。この為には時分散ポートフォリオ」との考え
方が必須です。
そして、これを行う行わないでは投資成果が大きく変わってしまいます。
一応理論的な背景をお話しますが、理解する必要はありませんので読み流し
て頂ければと存じます。
※あくまで、「きちんと理論的検証をしているよ」と言いたいだけです。
さて本題です。
仮に次の様な事を考えます。
「現在年間リターン0%、リスク20%と考えられる日経平均に何%の資金
を投資するのが一番優れた方法と言えるか?!」
如何でしょうか?!。
#分かりやすくする為に、企業の毎年の利益はゼロと仮定しています。
#本当は3~4%程度の利益によるリターンがあります。
イメージしやすく単純化すると、日経平均は1年後に
5割の確率で20%値上がりする
5割の確率で20%値下がりする
と言う事になります。
実はこれだけでは何も決められません。そこで更に1年先を考えます。
ここで先程の「値動き分の半分が(平均的には)戻る」を仮定にすると、
1:5割の確率で20%値上がりした後の1年
平均リターン ▲10% (20% ÷2)
リスク 20% (リスクは変化しません)
2:5割の確率で20%値下がりした後の1年
平均リターン 10% (20% ÷2)
リスク 20% (リスクは変化しません)
という事が想定できます。ここで
A:最初から株に投資して2年間所持する
B:最初から株に投資して値上がりしたら、現金に戻す。
C:最初から株に投資して値下がりしたら、現金に戻す。
D:最初は現金で持っておいて。値下がりしたら株を買う。
E:最初は現金で持っておいて。値上がりしたら株を買う。
という投資手法を考えます。
#実際には、このような簡単なモデルではなく対数T分布モデルを使う
#必要があります。ここでは理解して頂く為に単純化しています。
このA-Eそれぞれの最終利益やリスク、発生頻度は計算できますので、
これらを元に最適な資金配分を計算すれば良いのです。
この結果、上記A,B、Cに投資すべき資金の合計が
「今、株に投資すべき資金配分」となるワケです。
計算はこれまで言ったとおり
「リターン」÷「リスク」を最大化する(=勝率を最大化する)
という作業になります。
実際のこの計算は「偏微分方程式を解く」なんて事になってしまい、少々
厄介です。ここでは止めておきますネ。
【最適化、株式投資比率の実例】
さて結果だけ公開させて頂きます。
前提:日経平均のリスク 21.5%
日経平均の現在の価値 12,000円
値下がりから1年で平均的に戻す比率 50%
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前提が変わると、計算結果も変わります。ご注意下さい!
また、下記は単なる例であり実際には使えません。
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株価 株への最適資金配分比率
13、200円 0.0%
12、000円 49.6%
10、884円 74.2%
9、872円 87.5%
8、955円 95.7%
※対数スケールを使っている関係で、中途半端な株価になっています。
ご理解下さい。
次回はこれを使った「究極のリバランス」実例です。
本当にカンタン楽チンですヨ!
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